電撃アルティマニア

ゲームと映画をこよなく愛する社会人。ゲームは私の人生の教科書、ゲーム脳なんてくそくらえ!!

キングスマン:ゴールデンサークルが物足りなかった理由 【ネタバレレビュー】

 前回の記事の反動からか、映画を見たいと思う意欲がなくなってしまっていた私。

 

www.no-rain-no-rainbow.com

 

そんな私がようやく重い腰を上げてみた映画がこちら

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Kingsmanの続編となるゴールデンサークル!!

 

Kingsmanとは

キングスマン』(Kingsman: The Secret Service)は、2014年イギリススパイ映画英語版。原作はマーク・ミラーデイヴ・ギボンズ英語版によるコミック『キングスマン:ザ・シークレット・サービス英語版』。同じくミラー原作の映画『キック・アス』を監督したマシュー・ヴォーンが監督を務めた。主演はコリン・ファース。どの国にも属さない世界最強のスパイ機関「キングスマン」の活躍と亡き父の後を継いでキングスマンのスパイとなる道を選んだ青年の成長をユーモアを交えて描いた作品である。

2014年12月に開催された映画鑑賞マラソンイベント「Butt-Numb-A-Thon英語版」で初上映された。

 

スパイ映画の概念をまた新しく変えたと言っても過言ではない名作。

表は高級テーラーのショップ『Kingsman』、しかしその実態は難事件・テロ事件を解決する秘密組織だった!

 

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洋服の仕立て屋って所が他のスパイ映画と比べて革新的・紳士的でありそのルールやマナーを重んじるという姿勢がとても良く描かれていました。

そして仕込み傘などの007を彷彿とさせるハイテク兵器を使ったアクションシーンも素晴らしく斬新。後は他のスパイ映画をインスパイアしながらのブラックユーモアもかなりクスッときます。そんな名作の続編となればこれは見ないわけにはいかないでしょう!というわけで早速レビュー!

 

まずタイトルが引っかかるかなと思うのですが、作品自体はとても面白かったです。前作にないアクションの数々。

 

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ウィスキーのあの投げ縄とリボルバーでの戦闘シーンなんてめちゃかっこ良かったしハリーが見事に復活してくれたのはとてもうれしかった。個人的に好きだったのはテキーラとの最初の戦闘シーンはかなり良かった。ショットガン?かなを使ったアクションシーンは新しかった!

 

ならばなぜタイトル通り『物足りなかった』のか、そこを説明していきたい。

 

ストーリー展開がべたすぎた

1で上手く行った組織は続編でほぼ確実に破壊される。このゴールデンサークルも例に及ばずKingsmanの本拠地が破壊されます。しかもめちゃ前半で。

ハッキングされて特定されるまではわかるけど、何かしら防衛対策はなされていなかったのかいKingsman!各支社一気にやられるって何事やねん!!

で、まあその破壊した今回の麻薬王(女王)との全面対決となるわけですが、前にKingsman試験に落ちた奴が復讐のためにっていう流れもどっかで見たことあるし、あえてインスパイアして製作しているのであればお見事ですがちょっと予想できる展開が多すぎた気がします。

 

ジェントルマン要素がとても少なかった

他のスパイ映画との差別化という観念から見て、Kingsmanにとって大切だと私が思うのはあくまで紳士らしさではないか。テーブルマナーをハリーに教えてもらった新人時代の回想はとても良かったけれど、それ以外に関しては今回かなりその部分が少なかった気がする。フェスで他の女と任務で寝ることになるエグジー(別に言わんでも)、復帰戦ハリーのあのシーンも結局見れんのかい!って不完全燃焼で終わったし、アメリカの連中は荒っぽすぎるしポピーランドの戦闘シーンはただただ大暴れだったし(アクション的には最高)もうちょっとスマートにこなす二人のシーンが見たかった。

 

日本人になじみのない麻薬の問題

今回の麻薬女王との全面対決の際、彼女が用意したのがウィルスが混ぜ込まれた大麻。これを全世界にばら撒き中毒者達の命と引き換えにドラッグの合法化を大統領に要求するという話の流れ。

大統領は要求をのむふりをして麻薬中毒者を皆殺しにしてしまおうというとんでもない事を考え付くからさあ大変。知らずに吸引した者、仕事のストレスを緩和するために使ってしまった者。やむを得ず使用してしまった人間もその対象になってしまいます。問題になっている麻薬戦争をここで取り上げたかぁっていう少し残念な感想。しかもまあ当然全員救われてハッピーエンドなんですけどどうせならもっと遊んで欲しかった!1のあの盛大な花火を期待していたんだ私は!

 

しかし、こんな大人しい映画なのにはちゃんと理由があったらしく大麻の根深い問題点を独自に調べてみた。すると今回はこの大麻戦争に対するブラックジョークが存分に発揮されていたらしい。

 

 麻薬はダメ!っていうだけの映画ではない

今回気になったのがドラッグに対する色んな考え方。日本人の私達からすると危険この上ないイメージしかないんですが。麻薬女王ポピーが掲げていた【LEGALIZE】の文字、日本語に訳すとまさしく【合法化】。大麻合法化運動のこれがどうやらスローガン

LEGALIZE IT(合法化せよ)

REGULSTE IT(管理せよ)

TAX IT(課税せよ)

からきています。

禁止するからマフィアがこれでお金を稼ぎ、そのために犯罪が増え一向に中毒者が減らない。ならばしっかりと管理し課税して合法化することで犯罪が減るんだという考えなわけです。

合法化されたヨーロッパの貴族層はお酒やタバコといった物と同じようにたしなむ程度に使用している事からも禁止することが本当に良い事なのか?とこの映画は投げかけています。

寂しいから、辛いから使用する人間に対する処罰ではなくそれをしっかりとサポートするシステムを形成する事の方が大事なのではないか。そういった意味が込められているようです。

後調べて、驚いたのが昔はお酒類も飲むのが禁止されていたようです。禁酒例が発足した際もマフィアが大量にアルコールでお金を荒稼ぎして犯罪が増えてしまいました。

お酒で成り上がった今回のアメリカの組織ステイツマンと麻薬組織ゴールデンサークルの全面戦争ってのがそもそもの現政権に対するだいぶ皮肉めいた『ブラックジョーク』だったわけです。

いやぁパンチある。(衝撃) 

 

とまあ物足りなかった理由気になっていた麻薬戦争の問題色々調べて勉強にはなりました。前作が良かっただけに期待値が高くなりすぎたってのも大概な理由にもなりますがそれも踏まえてやっぱり『物足りなかった』という感想に落ち着いたのでした。

面白かったですけどね!!

 

今年は後何回劇場に足を運ぶだろうか・・・少なくなりそうだなぁw